TRONイネーブルウェアシンポジウム29th
おもてなしとイネーブルウェア
2016 年12 月17 日(土) 13:30 ~ 16:30(13:00 受付開始)
東京ミッドタウン カンファレンス(Midtown Tower 4F/Room 7)
- 主 催
トロンフォーラム/TRONイネーブルウェア研究会 - 共 催
東京大学大学院情報学環 ユビキタス情報社会基盤研究センター - 特別協賛
富士通株式会社
イーソル株式会社/サトーホールディングス株式会社/株式会社ソシオネクスト/東京ミッドタウン/東芝マイクロエレクトロニクス株式会社/日本電気株式会社/パーソナルメディア株式会社/株式会社パスコ/日立グループ/株式会社 的/明光電子株式会社/矢崎総業株式会社/ユーシーテクノロジ株式会社/株式会社横須賀テレコムリサーチパーク
13:00 | 受付開始 |
13:30〜14:30 | 基調講演「おもてなしとイネーブルウェア」 坂村 健 TRON イネーブルウェア研究会 会長 YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所 所長 東京大学大学院 情報学環 教授 |
14:30〜14:50 | 休憩 |
14:50〜16:30 | パネルセッション 登壇者 杉内 周作 富士通株式会社/アテネパラリンピック競泳(視覚障害)銅メダリスト 富川 理充 専修大学 准教授/公益社団法人 日本トライアスロン連合(JTU)パラリンピック対策チーム リーダー 坂村 健 TRON イネーブルウェア研究会 会長/ YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所 所長/東京大学大学院 情報学環 教授 |
16:30 | 閉会 |
基調講演
おもてなしとイネーブルウェア
坂村 健
TRON イネーブルウェア研究会 会長
YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所 所長
東京大学大学院 情報学環 教授
2020 年東京五輪・パラリンピック大会には、言葉や習慣や宗教が異なるだけでなく、さまざまな身体状態を持つ人たちが世界中から来日する。TRON プロジェクトでは、長年にわたる研究開発の集大成の一つとして、2020 年に向けて“おもてなしクラウドプラットフォーム” OPaaS.io(オーパーズ・ドット・アイオー)の構築を進めている。利用者は、サービスに必要な各種情報──使用言語、身体属性、食の好みなどをクラウドに登録する。そして、スマートフォンアプリや交通系IC カードを使って、サービス現場で必要なものを簡単に呼び出しサービスベンダーに渡すことができる。たとえば、街中で道案内するサービスでは、自分の身体属性にあわせて車椅子利用者には段差のない経路、視覚障碍者には点字ブロックのある経路の案内を受けることができる。
TRON イネーブルウェアシンポジウム(TEPS)では、これまでさまざまな視点で身体の不自由さをICT 技術でどのように解消するかを論じてきた。2020 年東京五輪・パラリンピックが近づいてきた今年は、アスリートのためのイネーブルウェアの理解を深め、2020 年のよりよい“おもてなし” 実現につなげたいと考えている。登壇者として、アテネパラリンピック銅メダリストで現在は富士通において東京五輪・パラリンピックを推進している杉内周作氏と、JTU パラトライアスロン代表チームの富川理充リーダーをお迎えする。パネルセッションをとおして、2020 年のアスリートのための“おもてなし” に何が求められているのか、何を実現しなければいけないのかを論じていく。
登壇者
杉内 周作
富士通株式会社 東京オリンピック・パラリンピック推進本部 プロモーション統括部 プロモーション推進部
一般社団法人日本身体障がい者水泳連盟 参事
関東身体障がい者水泳連盟 理事
JPC アスリート委員会 幹事
公益財団法人日本水泳連盟 アスリート委員会 委員
1974 年1 月名古屋市生まれ。小中学生時代を一宮市で過ごし、水泳に出会い没頭する。高校に進学してからは、科学者を志し競技会に出場するものの、その後競技からは一歩引いていた。大学2 年から水泳コーチをアルバイトとして始める。就職してからはマスターズ大会などに出場し続けていた。26 歳(2000 年)の時に網膜色素変性症と診断される。当時テレビ中継されていたシドニーパラリンピックの放送を見て「アテネパラリンピック」への出場を目標として再度選手生活を始める。
2001 年に障がい者水泳の世界にデビュー。通常は前年度の記録を元に強化指定選手(全日本)を選抜していたが、シドニー大会のメダルラインに相当する記録を地方大会(近畿大会)でマークしたため、特別枠で2001 年度より全日本入りを果たす。同年に開催されたジャパンパラリンピック(当時)水泳大会と日本選手権のそれぞれの大会で50m、100m 自由形の2 種目に出場し、すべて大会新記録で2 冠を獲得した。50m 自由形に関しては以降6 年間無敗。
2002 年、アジアパラ大会の前身大会であるFESPIC(Far East and South Pacific Games for the Disabled)大会に日本代表に選出され、50m/100m 自由形、100m 平泳ぎ、200m 個人メドレーの4種目に出場。50m 自由形以外3冠を達成し、そのうち100m 自由形ではFESPIC 記録(アジア記録当時)を樹立した。
2003 年の日本選手権で100m バタフライにて日本記録(当時)を記録し、この記録をもってIPC(国際パラリンピック委員会)推薦枠で翌年のアテネパラリンピック日本代表に選出される。
2004 年のアテネパラリンピック大会では、50m/100m自由形、100m 平泳ぎ、100m バタフライ、400m 自由
形リレー、400m メドレーリレーの6種目に出場。400m自由形リレー3 位をはじめ、400m メドレーリレー4 位、100m 平泳ぎ4 位、100m バタフライ8 位と銅メダル1 つと3 つの入賞を果たした。
2008 年の北京大会を目標に競技を続けたものの、2006年南アフリカで行われたIPC 世界選手権で決勝に残れず記録が低迷し、2007 年に現役を引退。
その後、地元の障がい者水泳チームのコーチを行う傍ら、関東身体障がい者水泳連盟の理事を務める。2010 年に所属していた事業が富士通に売却され、所属を富士通としながらも活動を続ける。2016 年に社内の東京オリンピック・パラリンピック推進本部に異動となってからは、水泳に関わる活動を活発化している。
富川 理充
専修大学 准教授
公益社団法人 日本トライアスロン連合(JTU)
パラリンピック対策チーム リーダー
1972 年東京都生まれ。1995 年に筑波大学を卒業するまでは競泳選手、1998 年の大学院入学後からトライアスロン選手として活動し、2007 年のシーズン終了後に競技から退いた。2008 年に博士(体育科学)を筑波大学にて取得、2011 年に専修大学商学部へ入職し現在に至っている。
公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)では、2011 年より情報戦略・医科学委員としてレース分析やトライアスロンスイムの研究を進める。2012 年よりパラリンピック対策チーム(発足当時はパラリンピック対策プロ
ジェクト)のリーダーに就き、日本のパラトライアスロンの牽引役として、普及から育成、強化までを担当している。
2016 年のリオデジャネイロパラリンピックで初実施となったパラトライアスロン競技において、日本代表チームのヘッドコーチを務めた。
オリパラ統括競技団体としてのパラトライアスロンに関する取り組み
パラトライアスロンは、ルール改正を繰り返しながらここ数年で急速に普及、発展してきたパラスポーツである。
パラリンピックデビューに向けて、安全性、公平性を確保しながら、高い競技性を兼ね備えてきたからである。さらに国内では、各地域でトライアスロン大会にパラトライアスロンの部を組み入れたりパラトライアスロン選手を受け入れたりするなど生涯スポーツとしての普及の動きが広まりつつある。これも、オリンピック競技・パラリンピック競技両方の統括競技団体であるJTU だからこそ可能であることかもしれない。今回は、これらのJTU の活動を含め、国内外のパラトライアスロンの現状を紹介する。
これまでのTEPSのあゆみ
TEPS’88 | 1988年 7月 | |
TEPS’90 | 1990年 3月 | |
TEPS’92 | 1992年12月 | 電脳都市とイネーブルウェア |
TEPS’93 | 1993年12月 | イネーブルウェアとどこでもコンピュータの世界 |
TEPS’94 | 1994年12月 | 障碍者を助けるコンピュータネットワーク |
TEPS’95 | 1995年12月 | テクノロジーは障碍者に何を可能にしてくれるか? |
TEPS’96 | 1996年12月 | 大学キャンパスにおける障碍者サポート |
TEPS’97 | 1997年12月 | バリアを越えて楽しむエンターテイメント |
TEPS’99 | 1999年 3月 | 電子商取引時代のイネーブルウェア |
TEPS2000 | 1999年12月 | 情報機器のためのイネーブルウェアデザイン |
TEPS2001 | 2000年12月 | バリアフリーに活かす次世代携帯電話 |
TEPS2002 | 2001年12月 | どこでもコンピュータ時代のイネーブルウェア |
TEPS2003 | 2002年12月 | ユビキタス・コンピューティングとイネーブルウェア |
TEPS2004 | 2003年12月 | ユビキタス・コンピューティングとイネーブルウェア(Part2) ~私たちは今、何ができるのか~ |
TEPS2005 | 2004年12月 | だれでもできるためのユビキタス |
TEPS2006 | 2005年12月 | ユビキタス社会基盤のユニバーサルデザイン |
TEPS2007 | 2006年12月 | 公共交通のユニバーサルデザイン |
TEPS2008 | 2007年12月 | 場所情報システムのユニバーサルデザイン ~自律移動支援に求められるサービス・実験結果の検証~ |
TEPS2009 | 2008年12月 | ユビキタス・コンピューティングにおけるユニバーサルデザイン |
TEPS2010 | 2009年12月 | ユビキタス社会におけるユニバーサルデザイン |
TEPS2011 | 2010年12月 | バリアフリー 2.0 |
TEPS2011 夏1 | 2011年7月 | 3.11以降のバリアフリーの後退を考える |
TEPS2011 夏2 | 2011年7月 | 認知症へのテクノロジー支援を考える |
TEPS2O12 | 2011年12月 | 緊急時の情報伝達のユニバーサルデザイン |
TEPS2O13 | 2012年12月 | 障碍者、高齢者を支援する最新デジタル技術 |
TEPS2O14 | 2013年12月 | オープンアプローチでバリアフリーマップをつくる |
TEPS27th | 2014年12月 | オープンデータでバリアフリーを支援する |
TEPS28th | 2015年12月 | いま企業ができること |
TEPS29th | 2016年12月 | おもてなしとイネーブルウェア |